住環境が悪くなる

江戸時代には、「家作りのための指導書」として
広く出回っていたという家相本。

 

現在の「建築基準法」の基礎になったとも言われており、
そこには自然と共存しながら快適に暮らすための
非常に科学的なテクニックが記されています。

 

では、家相を無視するとどんな影響があるのでしょうか?
例えば「鬼門(北東)や裏鬼門(南西)に水や火を使う設備を
作るのは避けるべきだ」という家相ルールを犯した場合。

 

この2つの方位は風通しが悪い方位なので、
臭気や湿気がこもりやすくなるというデメリットがあります。
特に南西は、西日の影響で気温も上がりやすいので、
雑菌も繁殖しやすくなりますよね。

 

つまり、こういった方位に水を大量に使う設備を作ると、
ジメジメしていて不衛生になりやすい!
湿気は家の劣化を早めますので、
住宅そのものの寿命を縮めることにもつながります。

 

もっとも、現代のように下水や換気システムが整備された時代では
家相から受ける「凶」の影響は昔ほど強くはありません。

 

家相学は、あくまでも、
ライフラインの基盤が整備されていなかった時代に生まれた学問ですから
100%鵜呑みにする必要はないわけです。

住む人の健康を損なう

昔ほど、家相の吉凶を気にする必要はない。
・・・とはいえ、やはり気になりますよね!?

 

なぜ気になるのか?
もちろん、家の寿命が短くなるのは困りますが、
それ以上に心配なのは、

 

家相の悪影響が家族の健康に及ぶこと。

 

例として、裏鬼門のキッチンについて考えてみましょう。

 

夏場はだらだらと西日が差し込み、
いつまで経っても室温も下がらない・・・。

 

となれば、食べ物を放置しておくのは危険!
それが野菜や果物などの“生もの”ならばなおさらです。
傷みやすくなりますので、
知らずに食べてお腹がピーピー・・・なんてことになりやすくなります。

 

また、北のトイレや浴室。
衣類を着脱する場所ですから、
気温の影響はダイレクトに血管に響く!
人の身体は、寒さにさらされると血管を収縮させて
血流を良くしようとする性質がありますので、
それが血管に思わぬ負担をかけてしまいます。

 

もともと高血圧だったり、動脈硬化で血管が弱っていたりすると
温度差が原因で破裂してしまうこともあるのです。
トイレで用を足している間に、くも膜下出血・・・
そんな悲劇が起こる可能性もゼロではありません。

 

家相を無視することの恐ろしさ、お分かりいただけたでしょうか?

“ご縁”を遠ざけてしまう

家相の良し悪しが与える影響は、
建物やそこに住む人の健康運に留まりません。

 

もし、北東(鬼門)に玄関があれば、薄暗くて寒くて、
ジメジメした場所にお客様を招くことになります。
きっとその人は思うでしょう。

 

「うわッ!なんか暗い・・・。」

 

と。

 

では、南西(裏鬼門)の玄関はどうでしょうか?
蒸し暑く、うっすらと靴のニオイが漂う空間・・・。
来客は、「なんか、この家の人ってもしかして不潔!?」
と誤解してしまうかもしれませんよね?

 

玄関は「家の顔」とも言われる場所ですから、
その印象は住む人のイメージにも影響を与えてしまいます。

 

一度訪問した時の印象が悪かったので、
なんとなく足が向かない・・・。

 

そういう人が一人、また一人・・・と増えると、
結果として“ご縁”が遠ざかってしまうことにつながります。

 

ただ、家相の悪影響は住む人の努力次第で
ある程度までは改善できます。

 

玄関にニオイがこもりやすいであればまめに換気して
ルームフレグランスで良い香りを満たしておく。

 

西日の影響を受けやすいのであれば
遮熱機能の高いサッシを採用する。

 

玄関の日当たりが悪く暗いのであれば、
せめて照明は明るいものを選ぶ・・・etc。

 

こうした心がけ次第で、ご縁を呼び戻すことは可能です!

 

家相の弱点を嘆き、全てをそのせいにしてしまうのでは
いつまで経っても幸せにはなれません。

 

何をどうすれば家の中の“流れ”を変えることができるのか。

 

先人の知恵を学び、具体的な行動に移す人だけが
逆境を乗り越えて幸せを手にすることができるのです!