新鮮!階段を「一つの部屋」として捉えたデザイン

注文住宅の場合、よほど構造面で難が生じない限り、
たいていの希望は叶えてもらえるようですね。
(もちろんメーカーにもよりますが・・・。)

 

親戚、友人、知人、上司・・・と
多くの方のマイホームを訪問してきましたが、
中には「えっ、そんな発想もアリなの?」と驚く住宅もあります。

 

例えば、大階段を一つの部屋として考えた間取り。
リビングの一画に大きな階段があるのですが、
その存在感がスゴイ!
階段の下の部分に飾り棚とベンチがあって、
デッドスペースをうまく活用するカタチになっているんです。

 

「個室を作ることにこだわらず、全体的に
“ゆるっと”つないだ間取りにしたかった」

 

ということで、家全体も扉は少なめ。
この大階段部分は吹き抜けになっていて、
1階と2階を“ワンルームのように”つなぐような設計になっています。

 

南に面したリビングには大きな掃き出し窓があるので
それだけでも採光は十分なのですが、
吹き抜けとアップライトの効果でさらに明るい!
光の反射による効果で実際よりも空間が広く見え、
開放感あふれる住宅に仕上がっていました。

 

ただ、あまりにも全体的につながり過ぎていて、
「プライベートの時間は欲しくないの?」
「いつも家族と一緒で大丈夫?」
と心配になりましたが・・・。

 

このようなタイプの家は、家相的に見るとどうなのでしょうか?

家相的に見て、どうなの?

家相的に見ると、空間を「つなぎ過ぎる」というのは
必ずしも好ましいとは言えません。

 

家族といえども一人一人は独立した人間ですから、
やはり“個”になる時間は必要です。

 

住んでいる本人は
「これだけオープンな家なら、子供が引きこもることもないだろう」
と言っていましたが、逆に言えばどこにも逃げ場がないということ。
子供だって、一人になりたい時はあるのです。

 

ちなみに、大階段&吹き抜けの組み合わせに関しては、
必ずしも「家相的に凶」とは言えないようです。

 

階段そのものが「立体的な欠け」と考えられていますので、
そこを大きく取るというのはあまり好ましいことではないのですが、
「家の中心部を避ければ問題ない」
「採光の条件が良く、明るい階段であれば大丈夫」
という見方が昨今の主流で、
このようなタイプの大きなリビング階段を設けるお宅も多いようです。

 

建築の構造から考えても、家の中心部に“欠け”があるのは
水平方向に作用する力に対する強度の面で難があります。

 

小難しいことを抜きにして簡単に言うと、

 

「暗い階段は、転倒事故が多くなる。
だから、採光に難がある家の中心部に階段を作るのは良くない。」

 

ということ。
ゆえに、伝統的な家相学では家の中心部に階段を設けることを嫌うのです。

「方位」と「省エネ」の問題はクリアできるの?

家相学の観点から見て、大階段を設ける際に問題になるのは
その大きさよりも「上り口の方位」。
方位別に、次のような制限があります。

 

  • 正中(中央)15度を避ける。

  • 北東

    四隅(中央)15度を避ける。

  • 正中(中央)15度を避ける。

  • 南東

    四隅(中央)15度を避ける。

 

また、

 

南、南西、西、北西は家族の健康や家族仲に悪影響があるため避けるべし

 

と、されています。

 

あれこれ制約がありますが、階段を設けることで
「限られた土地面積を有効に活用できる」
「家の通気性が良くなる」
という大きなメリットを得ることができるのは魅力的ですよね。

 

最近はミニマムな平屋建ても人気のようですが、
「縦方向の空間の活用法」を極めることができるのは2階建ての特権。
訪れる人を「アッ」と言わせる階段の活用法を編み出しましょう!